2010年1月26日

偽善者

『コーブ』を観ました。(やっとrazz
日本で密かに行われているイルカ猟についてのドキュメンタリー。
この事について以前ブログに書いたときは
イルカ猟なんて絶対反対!と思いましたが、
今ははっきり反対!とは言えなくなりました。

まずこの映画、見解が一方的です。
これを見ると、イルカ猟をする日本人はなんて野蛮なんだ!
と思わざるを得ません。
ま、彼らが言いたい事を主張するためには
そうするのが当たり前なんでしょうが。。。

「日本にはイルカを食べる習慣、文化はない」
という結論に達していましたが
(東京でインタビューした際に、多くの人が
イルカを食べる物だとは思っていないという事実より)
それはウソです。昔からイルカ猟をする地域では
普通に食べているようです。都会の人が知らないだけ(私も含め)

結局彼らは体をはって、イルカ猟の盗撮に成功するわけですが、
正直に、衝撃的でした。cry
でも「イルカだからかわいそう」という衝撃ではなく
普通に「動物を殺すのはかわいそう」というもの。
牛、豚、鶏などの他の動物を殺す場面を見てるのと一緒。

平気で牛などの動物を食べながら
「イルカ猟、反対!」などと言っているのを聞くと
「偽善者〜!」と叫び返したくなります。
イルカを殺す事も牛などを殺すことも同等なことなのでは?

個人的に肉は食べない主義ですが、
他人に対して、食べてはいけないと強制はしません。
だってそれが昔から続いている伝統であり文化であるから。
牛、豚、鶏などは多くの国で食べられているので
反対する人は少ない。
けれどもイルカはごく少人数でしか食されていないから
反対する人は多い。
でもこれだけでイルカを食べてはいけないって
決めつけて良いのでしょうか?
いくらイルカが頭がよいからって、
それなら犬を食べる習慣のある人はどうなのよって感じ。
(実際にいるらしいです、犬を食べる民族が)

イルカに含まれる水銀量が人間にとって危ない!
というのも彼らの主張の1つですが、
牛に与えている成長ホルモンや
病気にならないように与える薬剤だって
人間にとって危ないでしょう?!

やっぱり彼らの意見、矛盾しているように感じます。

結局、

牛などを食べる事に反対はしない=イルカを食べる事に反対はしない

という結論に個人的には達しました。
大きな声で賛成〜!とは言いませんが、反対はしません。

もしイルカが絶滅することになったしてもしょうがないのかも。
それを悲しむのは人間だけだし、でも
そのカルマを背負うのも私たちなのですから。star

7 コメント:

endunham さんのコメント...

ついに観たんですね!
私もこれ、netflixで予約しましたよ。
やっぱりそうでしかー。偏った見方で構成されてるんですね。

私も全く同感ですよー。アメリカの巨大畜産業工場を無視して、他国の伝統的食文化を非難ってちょっと本質的観点がズレてますね。

Lothlorien(ローリエン) さんのコメント...

予約したんですね〜。ぜひ観てみて下さい!日本が完全に悪者扱いです。肩身が狭い。。。
でも日本人だからこんなに怒っている訳では決してなくって(少しはあるか(笑))、彼らの見方が一方的すぎてぜんぜん真実をとらえられていなくって、これを見た人がきちんとしたイルカ猟についての理解を得る事ができないから、怒らざるを得ないのです。完全に誤解されているのだろうな。。。悲しい!

Unknown さんのコメント...

はじめまして。
Kayo.Hです。
うん、うん、わかる!と思う記事だったので、コメしました。
アメリカ人には、文化や、習慣をリスペクトする、って感情が希薄な気がします。
自分の国や、文化のルーツを大切に思う気持ちは大事にしたいですね。

アメリカ人夫をもつ私事ですが、アメリカ人が、宗教に執着するのも、ヨーロッパからの移民としてのルーツを失いたくない為の様に感じるのですが、それと他国の文化は彼らにとって別物なんでしょうかね。

動植物を食べて、その命を頂く事に感謝する。
それもまた、日本文化の良い所なんですがね。

夫が理解していてくれる事が救いなので、普段は気にしていない、ってのが本音ですが。

Lothlorien(ローリエン) さんのコメント...

Kayo.Hさん、コメントありがとうございます!私も同感ですよ〜。アメリカではあまり伝統や文化を守ろうとしないですよね。でも考えてみれば、歴史も浅く伝統など存在しないも同然なので、日本人のような「伝統を大事にしよう」という考え方自体があまり通用しないのかもしれませんね。残念だとは思いますが。

アメリカ人が宗教に執着するのは、ヨーロッパのルーツを失いたくないから、という意見、新鮮でした。実のところは分かりませんが、ヨーロッパの影響は大きいのでしょうね。

”動植物を食べて、その命を頂く事に感謝する。”というのは、数年前に話題になった「命の食べ方」について言ってらっしゃるのでしょうか?個人的にこの本は読んでいないのですが、友達から教えてもらいました。全ての命に感謝して食べよう、という教え、素晴らしいなぁと感じました!

珠吉 さんのコメント...

Lothlorien,なるほどね~(この間の続き。)更にLothlorienの言わんとしてることがわかるPostでした!私はこの映画を見てないから、LothlorienのPostに対する感想になっちゃうけど、コメントさせて!
見解が一方的だと、果たして聞くに値する意見か、って思っちゃうよね。残念だよね。
以前、ケーブルテレビで邦画を録画して見て「これ、Lothlorienの興味ある内容かもなぁ。送ろうかなぁ。」と思いつつも送るに到らなかった映画があって。「ブタのいた教室」という映画なのだけど。妻夫木くん扮する学校の先生が「ブタを飼って、卒業する前にみんなで食べよう」って小学生の生徒と約束して、教室でブタを飼い始めるの。で、その時はみんな「は~い」って当たり前のようにブタを最後に食べようと思ってるのだけど、ペットのようにかわいがったブタを、卒業する前に、約束どおり食べるか、食べないか、クラスで論議をすると、クラスが真っ二つに割れて、食べるの反対派:ペットと同じ存在だから食べるなんてありえない。 と、賛成派:他のブタは食べるじゃないか! で、討論するの。どの生徒の声も、とても耳が痛い、心が痛くなる、考えさせられる映画でした。なんか、Lothlorien「コーブ」に対する感想を読んでて思い出しちゃった。きっとLothlorienは「イルカ可愛いのにかわいそう!ひどい!」みたいな感傷的な感想でなくて、もっと深く考えた上での賛成なり反対なりの見解を聞きたかったのだろうなって思って。またケーブルでこの映画をやってたら今度こそ録画してLothlorienに送るわ~。私も「ブタ・・」を見た時に感じた「命を頂いてるのだから、大事に、決して欲張らずに、感謝して頂かなければな」って思ったことを思い出しました。肉食の私は、こういうこと、忘れちゃいけないなー。思い出させてくれてありがとうね、Lothlorien。

珠吉 さんのコメント...

ごめん、Lothlorien,ブタの、じゃなくてブタが、でした。「ブタがいた教室」。

Lothlorien(ローリエン) さんのコメント...

珠吉、そうそう、偏った見解のものってほんとに信じて良いの?って思ってしまうから、残念だったと思います。
「ブタ・・」の映画、おもしろそう!ぜひぜひ見てみたい!ネットで探してみます。たいていの日本のTV番組や映画は、中国や韓国サイトで見れるから、たぶん見つけられると思うよ。(ちなみにアメリカのTV番組や映画もネットで見つけられるのです。もちろん無料。でも違法なんだけどね。。。)

何を食べて良いか、悪いのか、その線を引く場所は個人それぞれに違うのだと思います。最近気づいたのだけど、その人がどのような環境で育ったかどうかが1つの大きな鍵になるのかなと。私の友達で東ヨーロッパ出身の人がいます。今はアメリカに住んでいるのだけど、この前の休暇、同じくアメリカに住むお姉さんの家に遊びにいったときに、そこで飼っていた子羊を殺して食べた!と言っていました。そのお姉さん、ポニーとかいろんな動物を飼っているのです。でももちろんポニーは食べないで、食べるのは「食用として飼っていた動物のみ」。食べる習慣のあるものは食用となり、その他はペットとなるのだそう。昔から食べる習慣があれば、別に罪悪感は感じないのだそうです。また飼っている間、「食用動物」には名前をつけず、ペットには名前をつけて区別すると言ってました。名前をつけると愛着がわいて食べれなくなるのでしょうね。どこにその線を引くのか、それはやっぱり環境や文化に大きく関係してくるのかな〜と思いました。

結局何が正しくて何が間違いなのかは存在しないのかもしれないと思い始めました。自分が正しいと思う事を主張することは良い事。だけどやっぱり尊重することも忘れないでいたいです。